香港は手ごわかった

香港発のカメラ、HOLGAの中古を千円ちょっとで手に入れて(前回記事:世界で唯一魂を持つカメラ)、白黒フィルムで写してみました。さすがに香港は手ごわかったです。現像液から浮かんできたものは、イメージとは全く違った、ロバート・キャパ的な、すべてが戦場のような、よく分からない写真でした。6×4サイズにしてみたのも良くなかったのかもしれません。そのうち6X6サイズのカラーに挑戦してみようと思います。香港(HOLGA)を手なずけるには並大抵のことではうまくいかないでしょう。

世界で唯一魂を持つカメラ

香港発のカメラ、HOLGAの中古を手に入れた。カタログには、《およそカメラとしての致命的欠陥を全て持ちながら、「世界で唯一魂を持つカメラ」と呼ばれる、カルトカメラキングHOLGA。伝統のプラスチックレンズ搭載モデルと、「過激なHOLGA」の異名を持つガラスレンズ搭載モデル。「HOLGAの不完全さと、あなたの操作ミスがとんでもない映像を生んでしまう。ちゃんとしたカメラ好きなら決して寄り付かない制御不能で、とてつもなく魅力的なカメラ」、それがHOLGAです。》とある。九龍城のことを思い出した。といっても行ったことは無く、多分90年前後に雑誌で写真を見て興味をひかれた程度なのですが。このHOLGAの紹介文の「カメラ」を「国」に、「HOLGA」を「香港」書き換えて読んでみると、「香港」の状況が見えてくるような気がします。共産主義(党)が追い求める「完全な社会」、あるいは「透明な人類」とは、どうやっても対立してしまう。元々は軍事要塞であり、イギリス統治時代には、その警察権力が及ばなかった九龍城の魂が、その解体とともに香港全体に広がっていったのでしょう。ニュースによると周庭氏たちが新法の下で逮捕されたとのこと。一刻も早く解放されることを願いつつ、HOLGAに120フィルムを装填しました。はたして「過激なHOLGA」に、九龍の魂は写るでしょうか。

子育地蔵・馬頭観音石仏群

Yashicaflex x ILFORD HP5 PLUS / MINOLTA AL-E x 業務用 ISO100

疫病といえば大仏だ。そろそろどこかで建立し始めるのではないだろうか。かつては飢饉や疫病といえば神仏に頼るのが日本の常だったが、最近は政府に頼ることになっているらしい。オウム真理教の事件以降、宗教的な事柄はあまり表に出なくなっていると思う。今やいろんな新興宗教が出てきてもおかしく無いご時世になっているのではないだろうか。あてにならない政府に、悲痛な声が聞こえてくる。どれだけ政府に懇願してみても、救われることはないだろう。古の人々がどのように危機を乗り越えてきたかを感じるために、地蔵を探してみた。荻窪の北、今川に「子育地蔵・馬頭観音石仏群」というのがあるらしい。開発などで撤去されたお地蔵さんを安置している場所のようだ。二眼レフを持っていく。そこは小さいが落ち着く場所だった。二眼レフにはISO400の白黒フィルムを入れていたが、さて撮ろうと設定しようとすると目盛りが200までしかない。YashicaFlexは1950年代のカメラなのだ。今回も露出とピントで散々だった。再度撮影しに行こうと思う。露出計を修理したミノルタのコンパクトカメラAL-Eでもスナップを撮ってみる。フィルムには場所場所の空気感も写っているように思えた。