あどけない話

「東京には空が無い」と智恵子はいったそうだ。
そんなことは無いだろうとずっと思っていた。
久し振りの梅雨の晴れ間に、空の写真を撮ろうと近所を自転車で走った。
空は、あるにはあったのだが、夢のような、かすかな空だった。