芸術作品について、無からそれを作り出すのだから素晴らしい。という誉め言葉をよく耳にする。果たして、芸術は錬金術なのだろうか。白いカンバスや絵の具は無なのだろうか。そのような芸術にまつわる議論をよそに、いま無から価値を生み出しているようにも思える仕組み、暗号(計算)主義とも云えるような社会形態が生まれつつある。ビットコイン/ブロックチェーンによる新しい経済システムだ。そして、そのシステムは芸術の根源と無関係ではないだろう。
以前より、一度ビットコインを試してみたかったのですが、それがどういうものかがよく分からないし、マウントゴックスは大量紛失するしで、後回しにしてきました。現在では、大手の銀行資本が参入して、簡単に地域通貨(円)との交換が出来たり、ビットコインで買い物が出来るようになってきているようです。ビットコイン取引所に登録してみようとしてみましたが、本人確認書類に写真入りの運転免許証やマイナンバーカードが必要で、そんなものは持ち合わせていないので、完了できませんでした。
しかしともかく、blockchain.infoでWalletを作ってみました。もちろん残高は 0 BTC です。僕がいろいろと頑張っている芸術活動や作品の創作活動を常日頃からサポートしたいと思っていた方は、この機会にビットコインで寄付してみてください!


ニュートンの光学によると、色は反射である。
印象派に関わりながらそれらを失わなかった作家がいる。フィンセント・ヴァン・ゴッホだ。彼が絵を描く目的は慈愛であった。その意味で作品はすべて習作といっていい。ゴッホは日本の浮世絵の分業制やウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を受け、慈愛の発露として、貧しい画家たちの協同組合を夢見る。しかし、それを成立させるためには、ゴッホはラディカルでエキセントリックすぎた。ゴッホの死後、さらに不幸が舞い降りる。ゴッホはみるみる有名になり、作品の値は上がり続けた。共同主義は個人主義にとってかわり、作家は個人的な欲望を刺激され続けることとなる。
フランスで印象派がもてはやされる中、ドイツで素人による芸術集団が立ち上がる。ブリュッケだ。彼らは共同生活をしながら制作を行う。綱領を持たないことを是として自発的で自由な表現を試みる。彼らがゴッホに影響を受け、その失敗から学んだことは確かだ。しかし、メンバーの一人フリッツ・ブライルはブリュッケについてこう語る。「われわれがなにから離れようとしているかについては、よく知っていた。しかし、どこへ行こうとしているかは、全く知らなかった」と。そのような制作を行う彼らの唯一ともいえる共同作業が木版画による冊子作りだった。