山頭火を生きる:五月四日

放下着、放下着。
やつぱり酒はうまい、雑草はうつくしい。
山口まで、湯田で一浴、廿日間の垢をおとす、おとなしく帰庵、ふとんのしきふをかゝへて(昨日から拾壱円ばかり買つた)。
山のみどり、鯉のぼりのへんぽん、蛙げろ/\。
粉末松葉を飲みつゝ、源三郎さんをおもふ。
・向きあうて湯のあふるゝを(湯田温泉で澄太君と)
風はうつろの、おちつけない若葉も
やつと家が見えだした道でさかなのあたま
・おもひではそれからそれへ蕗をむぎつつ
たどんも一つで事足るすべて