「7日間ブックカバーチャレンジ」というFacebook上のプロジェクトが広がっていて、沖縄の知人からバトンを受け取ったので、コロナ禍下におすすめの本を7冊紹介しました。

Day 1: 外出自粛/蟄居状態ということで頭に浮かんだのが、今年の二月に亡くなった古井由吉の短編『雪の下の蟹』。

Day 2:ウイルスという言葉が一番似合う小説家と言えば、やはりウィリアム・バロウズではないでしょうか。バロウズにとって言語とは、地球外から送られてきたウイルスであり、わたしたちはすでに言語ウイルスのコントロール下に置かれているのです。『シティーズ・オブ・ザ・レッド・ナイト』は新種のウイルス「B23」が紡ぎ出す物語です。

Day 3:ジル・ドゥルーズ とフェリックス・ガタリの共著『千のプラト――資本主義と分裂症』にこう書かれています。「われわれはわれわれのウイルスでもってリゾームを形成する。あるいはむしろわれわれのウイルスが他の動物たちとともにわれわれをリゾームにするのだ。(序)」この一文をコロナ時代に生きる私たちがどのようにとらえられるかで、今後の世界が決まるような気がします。

Day 4:新型コロナウイルスは一般的な肺炎を引き起こすのではないことが分かってきたそうです。時代に遍在し、人によって症状や重症度が異なるこの病は結核に似ているところがあるかもしれません。ジョルジュ・バタイユの共同体「アセファル」を提案した恋人コレット・ペニョ、通称ロールは、結核によって35歳でこの世を去りました。『バタイユの黒い天使――ロール遺稿集』は彼女の濃密な人生から生まれた、散文、詩と書簡をまとめた遺稿集。

Day 5:『自己組織化する宇宙――自然・生命・社会の創発的パラダイム 』80年代、二十歳代だった頃読んで、自分の世界観が決まってしまった本です。開かれていない社会、現在その方向性を強めている、現状維持や安心・安全を求めて閉じていこうとする社会は、いつの日か熱死することになりそうです。

Day 6:ミシェル・トゥルニエがデフォーの『ロビンソン・クルーソー』をもとに執筆した『フライデーあるいは野生の生活』。コロナ禍によって、公私ともに世界を作り直さなければならない時代がすぐそこにまで迫ってきている気がしますが、この哲学的な寓話は、そんな時に役立つ本かも。

Day 7:ジョルジュ・バタイユが前出(Day 4)の恋人ロールとの熱愛中に執筆された『魔法使いの弟子』。ゲーテの叙事詩をタイトルに持つこの論文は、結核が進行するロールに心を痛めながら書いた「恋愛論」です。「なにも愛さずにいるということが人間には許されている。」のですが、それでも、鍵のかけられた寝室の恋人たちの窓は、宇宙に向かって開かれているのです。隔離されていてもなお、人間は宇宙と共に在ることを、コロナ禍下の今だからこそ強く感じることが出来るかもしれません。