悪夢十夜 第一夜

こんな夢を見た。
7月15日の早朝に警察に付きまとわれながら、友人数人と国会議事堂正門の前まで歩いて行き、国会議事堂を眺めながら、現政権が何をしたいか、その背後に控えるアメリカは日本をどう操りたいのかを、そしてそれをどう実現していくかを、連中の立場から考えてみた。今回の安保関連法が成立することを前提として、成立後すぐに自衛隊が中国や北朝鮮に対して、日本の国境を超えて軍事的に対立するような動きをすることは無いだろう。成立後、参議院の選挙が終わればすぐにでも動き始めようとしているのは、イスラム国に対する有志連合への支援=参加だろうと思う。全く自衛とは考えられない有志連合への参加は、世論の反対や自衛隊の大量退職を招くだろう。政権としてはそれにどう対応するか。反対に対しては、運動が分裂・対立するように煽り仕掛け、自衛隊員不足に対しては、より所得格差を拡大し経済的徴兵制を進行させるだろう。まだ二十歳代と思われる警官に戦争ができる国になることをどう思うか聞いてみた。「これからどうなっていくのか自分も不安だ」と言っていた。懐柔策として用意された言葉かと疑ってみたが、これからの人生をそういった動きに、否応なく巻き込まれて生きていく事になるのだから、率直な思いだったのだろうと思う。非暴力な抗議行動に対して逮捕とかしたらダメだよと伝えた。その若い警官は困った顔をしていた。
「戦前はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。

ゲゼル・ハイエク・ビットコイン

国家が強制通用力をもった紙幣を発行するとき、国家の介入は紙を金に変質させる「魔術」にたとえられている。これは見せかけもしくは幻影なので、このとき国家は「今やその[金に刻印を押し、紙幣を印刷する]」刻印の魔術によって、紙を金に変貌居させるように〈見える〉」。この魔術はつねに幽霊のかたわらで立ち働き、幽霊たちと取り引をし、あるいは自分自身を操ったり取り引きしたりし、それはビジネス、すなわち強迫観念=憑在のエレメントそのもののなかでみずからおこなうビジネスとなる。
『マルクスの亡霊たち』ジャック・デリダ p.111

計画経済と市場主義。経済に国家が介入しなくなったとき、銀行から貨幣が消えるとき、利子が無くなるとき、自然淘汰的でない、オートポイエーシスな、エコロジカルな経済は生まれるのだろうか。シルビオ・ゲゼルから始まる自由貨幣、新自由主義の代表的論者であるハイエクが提唱していた「貨幣発行自由化論」を超えて、ここにきてビットコイン(暗号通貨)という形で自主貨幣がグローバルな流通を始めている。身元不明のサトシ・ナカモトが開発したビットコイン。世界に散在するコンピューターのネットワークによる銀行業務(採掘)とその報酬としてのビットコイン。約2100万枚で発行が終了するとのこと。仮想的なゴールドラッシュ。ビットフロンティア。競争原理。金塊の持つ重さと、電子の質量。数学と真理。全ての資源を採掘した時に、そしてオープンソースであるビットコインの派生通貨が次々と現れてくる資源の無限性。交換価値。ロビンソンとフライデー。シカゴボーイズ。

lovin_nanaさんのライブ

今回の安保法案、安倍政権の戦争法は沖縄の新基地建設の具体性を根拠にしていることは間違いがないだろう。沖縄の基地建設を中止させることは、戦争法案、そして憲法改悪への流れを堰き止めることにもなるはずだ。ぺるしゃむ(なな)さんのTwitCastingはその希望を運んでくれるものだった。毎朝「沖縄平和市民の歌」から始まる抵抗の真実。現状の解説はもちろん、機動隊による排除に対する、ななさんの表現が素晴らしい。「足上げすぎ」「おっぱいも痛い」「イエローって言われてるよ」「理屈じゃないよ簡単なことだよ」「ホントは歌えるでしょう」「やっぱりなかよくはなれない」「中隊長、口パクでいいから謝って」などの珠玉の言葉。たまに写り込む、ゲート向かいのテントに張られたA3BC連帯バナーが嬉しい。沖縄を(沖縄に)返せ!

沖縄平和市民の歌

座り込めここへここへ座り込め
腕組んでここへここへ座り込め
揺さぶられ潰された隊列を立て直す
ときは今
腕組んでここへここへ座り込め

座り込めここへここへ座り込め
歌うたいここへここへ座り込め
揺さぶられ潰された団結を立て直す
ときは今
歌うたいここへここへ座り込め

座り込めここへここへ座り込め
旗掲げここへここへ座り込め
引きずられ倒れても進むべき道を行く
ときは今
旗掲げここへここへ座り込め