山頭火を生きる:三月十四日

曇、白い小さいものがちら/\する。
老遍路さんがやつてきた、珍客々々。
身辺整理。
しづかに読書してゐると、若い女の足音がちかづいてきた、女人禁制ではないが、珍らしいなと思つてゐると、彼女はF屋のふうちやんだつた、近所まで掛取りにきたので、ちよつと寄つて見たのだといふ、到来の紅茶を御馳走した、紅茶はよかつたらう!
夕方、約の如く敬治君が一升さげて来てくれた、間もなく樹明君が牛肉をさげて来た、久しぶりに三人で飲む、そして例の如くとろ/\になり、街に出かけてどろ/\になつて戻つた。

・雪ふりかゝる二人のなかのよいことは
・雪がふる人を見送る雪がふる
・この道しかない春の雪ふる
・ふる雪の、すぐ解ける雪のアスフアルトで
・かげもいつしよにあるく
・けふはこゝまでの草鞋をぬぐ
・椿咲きつづいて落ちつく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

6 − 4 =