心からご冥福をお祈り致します

12月16日「2017年度日本生協連資料室 土曜講座」で『原水禁署名運動の誕生』の著者、丸浜江里子さんが《戦前~戦後の城西消費組合の中心メンバーたちの生協活動》をテーマに講義をされる予定だった。

ひと月前、11月19日には自由芸術大学のレクチャー《戦後初の公選杉並区長―新居格から受け継ぐこと》で公益学を提唱されている小松隆二さんと新居格についての講義をお願いしていた。9月末に浜田山の喫茶店で直接お会いして打ち合わせを行った際には、自転車で来られるほどお元気だった。11月14日に病室からお電話をいただき、体調が良くないのでレクチャーに出られないとの連絡を受けた。12月16日の講義もお有りだし、無理しないように欠席していただいた。当日、電話を繋いで少しお話いただこうかとも考えたが、ご無理をさせてしまってはと、小松さんにお願いして丸浜さんの時間もお話いただいた。

12月7日に丸浜さんが亡くなられたとの連絡を受ける。突然の訃報で言葉にならない。
11日に行われた通夜でご焼香させていただいた。百人以上並んでいただろう、大勢の弔問客がいらしており、生前のご功績が偲ばれる。受付で、仕事関係者/運動関係者/一般の選択項目があった。少しの時間悩む。しいていえば、運動関係者なのだろうが、なぜか気が進まず「一般」に丸をつけた。

丸浜さんとはごく最近、日常の繋がりの中で出会うことになった。版画コレクティブA3BCが毎年出品している原爆の図丸木美術館で行われる「今日の反核反戦展」。実行委員会にも参加した関係で、年に数会通うようになった。はじめて原爆の図 第10部 《署名》を見た時から気になっていたのだ。杉並で展示されたことはないだろうし、そのために自分が動かなくてはならないのではないかと。

今年の春に自由芸術大学を立ち上げ、7月2日に「美術が繋ぐ広島・沖縄──原爆の図丸木美術館と佐喜眞美術館」と題したレクチャーを二つの美術館の学芸員の方に行っていただいた。そのレクチャーを機会に「杉並で署名を展示する会―準備会」を立ち上げる。少し前に、商店街の商店会の総会があった。議員に立候補したこともある商店会長に「展示する会」について相談すると、丸浜さんの著書『原水禁署名運動の誕生』を貸してくれた。表紙には原爆の図《署名》が使われていた。その深く広がりを持つご研究に感銘を受ける。

「杉並で署名を展示する会―準備会」は会議を続けていくうちに、来年が杉並区平和都市宣言30周年ということで、「杉並から平和の輪をつなぐ会準備会」となった。原爆の図《署名》の展示にとどまらず、六十年前の『原水禁署名運動』のように杉並から世界につながる運動が起きないかと考えている。いや、起きなければならない。丸木位里・丸木俊、そして丸浜さんの意思を継いで。

次回の「日本生協連資料室 土曜講座」は中止になるだろう。丸木美術館で行われる《ICANノーベル平和賞受賞記念・川崎哲講演会「核兵器禁止条約で変わる世界~日本はどうする~》に行くことにした。

丸浜江里子様のご逝去を悼み、心からご冥福をお祈り致します。