共産主義党派文芸を評す

今日は12号店が雨漏りして大変でした。ところで、新居格は四国(徳島)出身だったのか。モガ、モボという流行り言葉を造語したのも新居だったとは!

まだちゃんと読めていないけれど、『アナキズム芸術論』は要は(共産)党派芸術批判に尽きるようだ。

まず人間であること、みんなが芸術家であること。

 それから私はわれわれの文芸を打ち出すべき余地を殆ど失った。だがわれわれの立場からするプロレタリア文芸観は文芸はアナキスチックな本質を有すること、プロレタリアの自由文芸であること、すなわち命令や強制によって歪曲されないこと、同士意識に根底を置くべきこと社会性階級性をもつこと、従って階級闘争的であること、何よりも強権の否定と自由の強調に意義を置くこと、英雄主義の否定、偶像崇拝の厭悪、無政府主義の社会思想とその社会に於ける人類の生活を暗示するもの、資本主義社会の不合理な機構の摘発と否定。
 ヴンドによれば、英雄及び神の時代は神や英雄の像が類型的でその個性が現れなかったとしている。共産主義はその個性を類型若しくは階級性に復戻させた。無政府主義は階級性に根ざした個性の自由によりて成り立つ階調性への示唆である。超個人的個人主義である。私は数次無名礼賛の説をなした。私の無政府主義的文芸観は大体以上のものの結合観念から成り立つ。
 「共産主義党派文芸を評す」 新居格