俺の目は節穴だ

子どもの頃、遠い親戚の山の旧家に何度か泊まった。夜明けにざわめきを感じて目が覚めた。杉板の雨戸の節穴から木の葉が揺らいでいるのが障子に映っていた。あの体験は霊験あらたかといっていいものだった。多分俺はそれをずっと追い求めているのだろう。