至上の愛

デッキが直ったので、新しくCDでも買おうと駅前のブックオフに行く。ジョン・コルトレーンの最高傑作と言われる「A Love Supreme」が目についたので購入する。ジョン・コルトレーンについて、ウイスキーのコマーシャルソングにも使われ、村上春樹の初期作品を読むと聞こえてきそうな「Say it」な感じがしていた。いわゆるフリージャズのラディカルさを感じなかったので、あまり聞いていなかった。

プレイボタンを押す。そうそう、この「ア・ラヴ・シュプリーム」とつぶやくリフレインがダサく感じて、その良さがさっぱりわからなかったのだ。

リフレインといえば『千のプラトー』「音楽は音の質量を分子化するが、そうすることによってこそ、〈持続〉や〈強度〉など、いずれも音をもたない力をとらえることができるようになるのだ。持続に音を与えること。ここでニーチェの考えを思い出そう。聞き慣れた歌、リトルネロとしての永劫回帰、しかし思考不可能にして沈黙している宇宙の諸力を捕獲する永劫回帰。こうして、人はアレンジメントの外側に出て〈機械〉の時代に足を踏みいれる。そこは巨大な機械圏であり、とらえるべき力が宇宙的なものに変化する平面である。(リトルネロについて p.394-395)」