スクールキングバレンと手作りバレン

チラシ

木版Tシャツワークショップのチラシを摺った。風邪が治っていないせいもあると思うが、25枚でけっこう手首にきた。世界堂で280円で売っている学童用の「スクールキングバレン」では大量に摺ったり、大きな版は無理があるのかもしれない。

手作りバレン

しまいこんでいた手作りのバレンを引っ張り出したが、さすがに竹皮が破れていた。竹の皮と和紙だけで作る「本バレン」ではなく、タコ糸やベニヤを使って作ったものだが、よく摺れていたと思う。

道具にこだわり始めるときりが無いし、民衆運動としての木版は安価で簡単に作れなくては駄目だと思うところもあり、悩ましいところですが、竹の皮を手に入れて包みなおして使ってみてから考えたいと思います。

2014年6月8日 革命的木版画Tシャツワークショップ

第2回版画ワークショップを6月8日(日)午後3時から、新宿IRREGULAR RHYTHM ASYLUMでやります!

今年の夏こそ、企業やブランドのセンスや思想を身に纏うのはやめて、自分自身や愉快な仲間たちの楽しみや思いの詰まったTシャツを着て町に出よう!

今回のワークショップでは、自作の絵やTシャツにしたい写真、革命的デザインなどを版木にトレースして、オリジナル木版画Tシャツを作ります。

木版画は簡単で安価に複製できる民衆のメディアとして、人々の暮らしやメッセージを社会に伝えてきました。
そのプリミティブで、彫り跡や手摺りの痕跡の残る力強い表現は、言葉以上に人々の感性に訴えかけ、解放への道を指し示すことが出来ます。
実は身近な木版画で作ったTシャツを着て町に出れば、日常の生活の中で自らのメッセージや楽しみ、DIY精神を広く社会に伝えることも可能です。
それはブランドファッションよりも、強いメッセージとなるでしょう。

日時:2014年6月8日(日) 15時から(3~4時間)
場所:IRREGULAR RHYTHM ASYLUM
新宿区新宿1-30-12-302|03-3352-6916|irregular.sanpal.co.jp

参加費:無料(投げ銭制)
制作サポート:上岡誠二(artNOMAD

必要なもの:
■Tシャツ2枚(今回は黒インクで刷ります。黒以外のTシャツをご用意ください。新品でなくともかまいません。プリントTシャツでも裏返せば刷ることが出来ます。)
※2枚刷って、1枚を交換し合いましょう。(交換用のTシャツサイズは大きめがいいかも)

■版木:Tシャツにプリントできる大きさのもの(シナベニア、朴、桂など、画材店で入手できます)
※版木についてよく分からない場合は、実費(300円前後)で用意することも出来ますので、その際はお問い合わせください。
問い合わせ:seiji.ueoka(at)gmail.com *(at)を@に変えてください。

■下絵:可能であれば、自作の絵、Tシャツにしたい写真、コピーライトフリーなデザインなど、好きな下絵をTシャツの大きさに合わせて用意してください。
※Irregular Rhythm Asylumにある書籍、DIYグッズからもインスピレーションを得ることが出来ますので、気楽にご参加ください。

■その他
・汚れてもいい服装かエプロン/割烹着
・軍手かビニール手袋(摺るときに手が汚れないよう)
・古新聞紙(一日分程度)
・ビニール袋(刷ったTシャツを持ち帰るため。※乾燥するまでに、最低1週間はかかります。)
・黒インク以外で刷りたい方は油性版画用インクをご用意ください。
参考:サクラ版画絵具油性(安くて使いやすいです)
http://www.craypas.com/products/lineup/detail/52.php

山頭火を生きる:五月十日

雨、風、朝酒が残つてゐた、しめやかな一日だつた。
・いつまで生きることのホヤをみがくこと
・ひとりをれば蟻のみちつづいてくる
・草の青さできりぎりすもう生れてゐたか
・胡瓜植ゑるより胡瓜の虫が暑い太陽
風ふくゆふべのたどんで飯たく(追加)

メディアの根源に触れながら、悠久の歴史をも感じさせる、アナログラジオ素人の乱

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もう3年目に突入した、アナログラジオ素人の乱 FM88.0MHz。

松本哉、真原合歓矢、松本るきつらという、豪華パーソナリティとミニFMラジオをやっているのですが、現在の方法、①ライブでFM電波で流す。②ラジカセで録音する。③デジタル変換してWebで公開する。これが、浮世絵版画の伝統的な方法、①絵師、②彫師、③摺師の分業にとても近いものだと気付いたわけです。
複製メディアは中国での紙の発明、そこに木彫した文字や絵を掏り取り、配布したことにその起源があります。メディアの根源に触れながら、悠久の歴史をも感じさせる、アナログラジオ素人の乱!!!

毎週火曜日深夜、高円寺素人の乱12号店より、視聴範囲半径30メートルで放送しています。お聞き逃がしなく!!!

アーカイブはWebで! http://wearenakasone.com/

山頭火を生きる:五月九日

曇、昨夜は眠れた、何よりも睡眠である。
初夏の朝、よいたより。
ちよつと街へ出て戻ると、誰やら来てゐる、思ひがけなく澄太君だ、酒と豆腐とを持つて。
ちび/\やつてゐるところへ、呂竹さんが見舞に来られた、これまた茶を持つて。
さらに樹明来、T子さん来庵。
風が吹いて落ちつけない、風には困る。
澄太来のよろこびを湯田まで延長する、よい湯、よい酒、よい飯、よい話、よい別れでもあつた、澄太君ほんたうありがたう、ありがたう。
夕暮、帰庵すると、飲みつゝある樹明を発見する、彼はまことに酒好きだ、少々酒に飲まれる方だが。
労れた、よい意味で、――今夜はよくねむれるだらうと喜んでゐると、T子再来、詰らない事を話して時間を空しくする、しめやかな雨となつたが寝苦しかつた、困つた。
・生きて戻つて五月の太陽
・けさは水音の(が)、よいことが(の)ありさうな
葱坊主、わたしにもうれしいことがある
湯あがりの、かきつばたまぶしいな(病後)
・竹の葉のうごく(そよぐ)ともなくしづかなり
・土は水はあかるく種をおろしたところ(苗代)

山頭火を生きる:五月八日

曇、風(風はさみしくてやりきれない)。
弱い身心となつたものかな、あゝ。
・山はひつそり暮れそめた霧のたちのぼる
・サイレンながう鳴りわたる今日のをはりの
・病みて一人の朝となり夕となる青葉
・雑草咲くや捨つべきものは捨てゝしまうて
・草や木や死にそこなうたわたしなれども
・五月の空の晴れて風吹く人間はなやむ

山頭火を生きる:五月七日

まさに五月だ。
同朋園の田中さんから、たくさん薬を送つてきた、ありがたし、さつそく服用する。
街で買物、――洗濯盥、たどん、火鉢、鎌、等々。
山へ枯枝拾ひに、それから風呂へ。
△粟餅屋の小父さん、彼とはもう三度目の邂逅だ、私は彼をよく記憶してゐるが、彼は私を覚えてゐないらしい(私がもう乞食坊主の服装をしてゐないから)、街角の彼等から一包を買うて追憶に耽つた。
健が持つてきてくれた饅頭もうまかつたがカステイラもおいしいなあ(ぬけさうな歯が少々邪魔になる)。
今夜はとう/\一睡もできなかつた、終夜読書した。

山頭火を生きる:五月五日

けさも早起、晴れて端午だ。
身辺整理、きれいさつぱり、針の穴に糸が通らないのはさびしかつた。
さみしくなるとうぐひすぶゑ(叡山土産の一つが残つてゐた)をふく、ずゐぶんヘタクソ鶯だね、そこが山頭火だよ。
放下着、死生の外に。――
T子さん来庵、白米を持つてきてくれたのはありがたいが。
寝苦しかつた、肺炎なんて、凡そ私にはふさはしくない。
雑草そのままに咲いた咲いた
おもさは雨の花のあかさ
けふも雨ふる病みほうけたる爪をきらう
・雨のゆふべの人がきたよな枯木であつたか
・どうやらあるけて見あげる雲が初夏

山頭火を生きる:五月四日

放下着、放下着。
やつぱり酒はうまい、雑草はうつくしい。
山口まで、湯田で一浴、廿日間の垢をおとす、おとなしく帰庵、ふとんのしきふをかゝへて(昨日から拾壱円ばかり買つた)。
山のみどり、鯉のぼりのへんぽん、蛙げろ/\。
粉末松葉を飲みつゝ、源三郎さんをおもふ。
・向きあうて湯のあふるゝを(湯田温泉で澄太君と)
風はうつろの、おちつけない若葉も
やつと家が見えだした道でさかなのあたま
・おもひではそれからそれへ蕗をむぎつつ
たどんも一つで事足るすべて