ゲゼル・ハイエク・ビットコイン

国家が強制通用力をもった紙幣を発行するとき、国家の介入は紙を金に変質させる「魔術」にたとえられている。これは見せかけもしくは幻影なので、このとき国家は「今やその[金に刻印を押し、紙幣を印刷する]」刻印の魔術によって、紙を金に変貌居させるように〈見える〉」。この魔術はつねに幽霊のかたわらで立ち働き、幽霊たちと取り引をし、あるいは自分自身を操ったり取り引きしたりし、それはビジネス、すなわち強迫観念=憑在のエレメントそのもののなかでみずからおこなうビジネスとなる。
『マルクスの亡霊たち』ジャック・デリダ p.111

計画経済と市場主義。経済に国家が介入しなくなったとき、銀行から貨幣が消えるとき、利子が無くなるとき、自然淘汰的でない、オートポイエーシスな、エコロジカルな経済は生まれるのだろうか。シルビオ・ゲゼルから始まる自由貨幣、新自由主義の代表的論者であるハイエクが提唱していた「貨幣発行自由化論」を超えて、ここにきてビットコイン(暗号通貨)という形で自主貨幣がグローバルな流通を始めている。身元不明のサトシ・ナカモトが開発したビットコイン。世界に散在するコンピューターのネットワークによる銀行業務(採掘)とその報酬としてのビットコイン。約2100万枚で発行が終了するとのこと。仮想的なゴールドラッシュ。ビットフロンティア。競争原理。金塊の持つ重さと、電子の質量。数学と真理。全ての資源を採掘した時に、そしてオープンソースであるビットコインの派生通貨が次々と現れてくる資源の無限性。交換価値。ロビンソンとフライデー。シカゴボーイズ。

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