戦争の記憶と表現

WWW (World Wide War)
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油彩で三角をいくつも描きながら思ったのは、今のアートには戦争の記憶が無いのではないかということだ。ウォーホールのカラフルな作品にさえ戦争の記憶は深く刻印されている。自分自身はもちろん戦争に行ったわけではないが、学校や生活、本やマンガで、戦争について常に聞き、触れ、考えてきた。母親が学徒動員で、体育館と校庭であの「風船爆弾」を作っていた話などは、つねに頭の片隅に浮かんでくる。いまの若い人たちが、戦争の記憶を持つ作品を作ることなど二度とないほうがいいが、記憶を持つ表現者はその記憶が刻まれることを嫌がったり、ごまかしたり、消したりしないほうがいいのではないだろうか。