ラジオアリーチェとその時代(1)

イタリアの冬
1977年の冷たい朝
真空管あるいは最新型の
トランジスタラジオ
からエンツォ・デル・レの
Lavorare con lentezza
が流れてくる

ゆっくり働くんだ
なにひとつ頑張ること無く
急調子で働く連中は
自分を傷つけて
しまいには病院行き
でも病院のベッドは満杯
だから間もなく死んでしまうよ

ラジオアリーチェの
一日の放送が始まった

トリノでは労働者
たちが工場を占拠し
南部からやってきた
出稼ぎは仕事に行かず
自動車を盗み
生活費に換えジェノバ
では赤い旅団が有力者
を誘拐している共産党は
保守政党と手を結び
労働組合は若者を
監視しはじめた逮捕者は
「懺悔者のシステム」
で無実の活動家を
有罪にするローマでは
ファシストが大学に
押し入り学生の頭
を撃ち抜いた

ラジオアリーチェが
流れるボローニャでは
「共有と開放」
と名のるカトリック
聖職者団体の
集会で排除された
アウトノミアの若者が
警官の銃弾によって
死亡する3月11日
その死はすぐさま
ラジオアリーチェの放送で
ボローニャの活動家が
知る追悼はデモから
暴動へと発展した
3月11日

3月12日

警察

がラジオアリーチェ

を襲撃し

鉛の時代

は最盛期

を迎える

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